はじめに
ショック状態で搬送される患者や、入院中にショックバイタルになりICU病棟に転入してくるなど、ICUで勤務する上で「ショック」という言葉はよく聞くと思います。
ショックは心肺停止に次いで患者に加わる侵襲度の高い重症病態と言われています。
ショックを理解することは様々な侵襲によって起こる急性疾患や病態を理解するために役立ちます。
本記事ではショックの定義と4つの分類について、新人看護師にもわかりやすく解説していきたいと思います。
ショックとは?
ショックとは、
「生体に対する侵襲あるいは侵襲に対する生体反応の結果、重要臓器の血流が維持できなくなり、細胞の代謝障害や臓器障害が起こり、生命の危機にいたる急性の症候群」をいいます。
私はICUで働く前はショックを、出血やアレルギー反応などで血圧が低下した状態としか考えていませんでした。
しかし実際には感染や心筋梗塞など様々な侵襲がショックの原因となること、また血圧低下だけでなく冷汗、顔面蒼白、虚脱、呼吸不全、脈拍蝕知不能などの特徴的な症状(ショックの5P)がみられることがあります。

ショックが起こる仕組み
循環は「循環血液量(前負荷)」「心収縮力・心拍数」「末梢血管抵抗(後負荷)」の3つの要素によって構成されており、その要素のいずれか(あるいは、その組み合わせ)に異常が生じるとショックとなります。
循環の3つの要素のイメージ図

ショックの症状
ショックでは以下のような症状が出現します。
循環症状
- 血圧低下(組織低還流)
- 頻脈
- 四肢冷感、蒼白
- 冷汗
神経症状
- 不穏
- 意識障害
臓器症状
- 主要臓器の障害
- 消化器症状
- BT(バクテリアルトランスロケーション)
- 腸管虚血
- 尿量減少
- DIC(播種性血管内凝固症候群)
呼吸症状
- 頻呼吸
- 呼吸困難
- ARDS(急性呼吸窮迫症候群)
ショックの4分類
ショックは原因によって4つに分類されます。
① 循環血液量減少性ショック

病態
循環血液量が直接的に減少した結果、心室に還流する血液量(前負荷)が低下することによって起こるショックです。
原因
- 出血
- 脱水
- 熱傷
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蛇口から入ってくる水が少なくなる状態
② 心原性ショック

病態
心臓自体の機能が低下し、十分な血液を送り出せなくなるショックです。
原因
- 心筋性:心筋梗塞、拡張型心筋症
- 機械性:僧帽弁閉鎖不全症、心室瘤、心室中隔欠損症、大動脈弁狭窄症
- 不整脈:心室性不整脈、頻脈性・徐脈性不整脈
イメージ
ポンプが故障している状態
③ 血液分布異常性ショック

病態
血管の拡張や血管透過性の亢進などにより、末梢血管抵抗(後負荷)が低下することで起こるショックです。
原因
- 敗血症
- アナフィラキシー
- 神経原性ショック
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ホースが異常に太くなり、水が行き渡らなくなる状態
④ 心外閉塞・拘束性(閉塞性)ショック

病態
心臓が圧迫されることで心臓の拡張障害が起こり心拍出量が低下することによって起こるショックです。
原因
- 心タンポナーデ
- 緊張性気胸
- 肺血栓塞栓症
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ポンプが外側から押さえつけられている状態
4つのショック分類の比較表

看護師がショックで最初に見るポイント
ショックを疑ったらバイタルサイン測定とショックの5Pを確認します。

特に呼吸数増加はショックの早期徴候としてみられることがあります。頻呼吸の原因については下記の記事にて解説しています。

まとめ
- ショックとは「生体に対する侵襲あるいは侵襲に対する生体反応の結果、重要臓器の血流が維持できなくなり、細胞の代謝障害や臓器障害が起こり、生命の危機にいたる急性の症候群」
- ショックでは特徴的な症状(ショックの5P)がみられることがある
- ショックは4種類に分類される
- 看護師は早期発見が重要
次回以降はそれぞれのショックについて解説していく予定です。
参考文献
・これなら分かるICU看護
・ICUディジーズ クリティカルケアにおける看護実践 改訂第2版
・エキスパートナース ここが知りたかった!急変対応Q&A
・日本救急医学会 医学用語解説集 https://www.jaam.jp/dictionary/dictionary/word/0823.html
・日本急性期ケア協会 ショックの4つの分類と初期対応 https://www.jaca2021.or.jp/news/shock/

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